葬儀や通夜に参列してくださった方に喪中が明けてから、香典返しを行うのは基本といわれていますが、品物だけ贈ってご挨拶をしないのは却って失礼にあたります。挨拶状を一筆したためて、相手に礼を尽くすのが日本人として大切なことです。とはいえ、基本的な書き方はどんなものなのか、文面に頭を悩ませる人も少なくありません。具体的な書き方を知っておくことは、万が一の時に使いやすいので重宝します。はじめに使われているのは謹啓で、改まった手紙で相手への敬意を表すときに使用される、冒頭の挨拶です。拝啓よりも相手を敬う言葉とされて、挨拶文の冒頭につけるために利用されています。
ただ、相手との関係によっては拝啓でも失礼ではありません。使い分けることが大切です。時候の挨拶文を入れる場合と入れない場合がありますが、入れないほうがいいといわれています。理由として「厳寒の候皆様には益々ご清栄の事と存じます」と書いた場合、「ますます」という、重ね言葉が使われてしまうからです。重ね言葉は葬儀が重なることを暗示しているとの考え方もあるので、使わないほうがいいでしょう。葬儀や生前のご厚情に厚くお礼を申し上げ、無事に四十九日の法要まで済ませたことを伝えてください。その後、供養の印に心ばかりの品をお送りしたことをつげ、書面をもってご挨拶に代えさせてもらいますと書いたほうが、きれいな文になります。
なお、文の最後には必ず謹白をつけましょう。謹啓と謹白は最初と最後を締める大切なポイントです。具体的な例として「謹啓亡夫(亡夫の名前を入れる)葬儀にはご懇篤なるご弔辞ならびにご芳志を賜り、厚く御礼申し上げます。おかげさまで本日諸式滞りなく相すみました。つきましては心ばかりの品をお送りいたしましたので、何卒ご受納いただければ幸いに存じます。略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます謹白」となります。
(参考サイト)
「葬儀ボード」葬儀について発信している専門情報サイト
http://www.board-sogi.org/